ぱちんっ!

11月のドアを開けた、クマのモモジは
突然、冷たい空気にビンタされました

「もう、いたいなあ…」

白い息の不満は、むなしく
いとも簡単に
森にとけてゆきます

モモジの森はこのまま、冬になってゆくのしょうか?

モモジは、こんなに痛い思いをするのは
もう、たくさんだと
目をこすり、こすり
秋おじさんを呼び戻しに行くことに決めきました

「おーい秋さーん〜 戻っておいで〜」

叫びながら、木の葉の森を
駆ける、クマのモモジ

秋おじさんはすでに、森の出口まで、来ていました

モモジは

「秋おじさん、行かないでよ、もう、寒くて寒くて…
 森のみんなだってさ、きっと、秋おじさんには
 ここから出て行ってほしくないって、思ってるよ
 だからさ、ずっとここにいてよ」

モモジは必死に訴えました

秋おじさんは

『ありがとう、モモジ
 でもね、行かなくちゃいいけないんだよ
 そりゃ、おじさんだって、この森が大好きだし
 モモジともっと、遊びたいって、思ってるんだ
 だけどね、次に行かなきゃいけないよ
 となりの森でもね、おじさんが来るのを待ってる
 子供たちがいるんだ
 だから、おじさんは行かなくちゃいけない』

モモジは
しばらく、秋おじさんのそでを離さないで
下を向いて、もじもじしていましたが

「…うん、わかった
 じゃ、また、来年ってことだね…

 じゃ、じゃ、おじさん
 来年は、早く来てよねっ」

モモジは言いました

『よしっ、わかった
 約束だ
 来年は、早く来るね』

秋おじさんは、そう言って
手をふると
新しい場所へと旅立ってゆくのでした

そして、今日
モモジの森には、木枯らし1号がふきました

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