わるねこは
自称、とってもわるい、ねこの子です

今日も、わるい、わるさをしています

町の鮮魚店では、大将が、なにやら、驚いている様子

「おぃおぃ、いったい誰だよぅ、こんなイタズラをしたのはよぅ
 アナゴとウナギの値札が、逆さになってんじゃんかよぅ」

先にある電柱の影で…
その様子を見て、その犯人、わるねこが
うしうし、笑っています

『ぷっ、おいらはなんて、わるなんだろう
 でもさ、わらっちゃうぜ
 あのビックリした、あの大将の顔ときたら
 傑作だぜ
 ぷっぷっぷっ…』

こんなふうに
いつもたいてい、わるねこは
わるさなんて、屁とも思わない、ねこの子でした


そんなある日のこと

今日も、何かわるいコトでもしでかしてやろうと
鮮魚店を覗いてみると…

何だか、この辺じゃ見かけたコトのない
流れ者風のどらねこが、怪しげに目を光らせています

と、次の瞬間!
店頭にある、今日のオススメ魚のイワシめがけて

しゅぴん

あっという間に
お皿の上のイワシを3匹
さらって、駆けて行きました

『なっ…ちょ…、なな、なんて、わるいヤツなんだ…』

驚いたのは、それを見ていた、わるねこでした

『ぬ、ぬすみなんて…、一大事だぜ、こりゃ、大将は何やってやがんだ』

ちょうど、その時、裏方から、その大将が表へ出てきました

「お、おいおい、イワシが、一皿消えてるじゃんかよぅ
 いったい誰が、持ってったんだんだよぅ
 もしかして、勝手に泳いでどっかいっちゃったかぁ」

大将も驚きながらも、慣れたように言い放ちます

『なーに、ゆうちょうなコト言ってんだよ、ばろう
 あんたの魚が、もってかれちゃったってゆーんだぜ』

その大将の、余裕な様子にも、わるねこは少し、驚きつつ…
その反面、売り物を持っていかれた大将が
なんだか、かわいそうだなあ、とも、思いました

そして、電柱の影から
すしすし、顔を出すと
お店の前まで、てくてくてく

『今日のオススメ、一皿』

と、気の毒な大将にちょっとでも、貢献してあげようと
わるねこは
それを、買って、お家に帰ってゆきました


わるねこは
自称、とってもわるい、ねこの子です

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