森のほとりの、まどろみ池に、 ゼニガメぼうやは住んでいました 今日も、ゆっくり、お昼寝しよう こうらに入ろうと、首を、にょにょりと、ひっこめた時でした 【とんとんとん…】 だれかが、こうらをノックします 首をにゅききと伸ばして見ると… ミドリガメくんが、ちょうど里帰りから帰ってきて、 ゼニガメぼうやに、お土産をもってきたのです そして、ミドリガメくんは、とても満足げな、顔をしています それを見て、ゼニガメぼうや 「うん、ぼくもさとがえりだな きょうは」 お父さんには、アカガメムシドリンクを お母さんには、池の底で拾った光る石を、おみやげに 長い長い、旅になるだろうと、たくさんのおやつの入った リュックを背負いました ふるさとの池を目指して、 ゼニガメぼうやの、里帰りがはじまります ツクツクツク 池を出て、3歩あるくと… 「へいタクシー」 ちょうど、まどろみ池の前をアメンボタクシーが通りがかったので ゼニガメぼうやはせっかくだから、タクシーに乗ることにしました 『やあ、こんにちは、ゼニガメぼうや、今日はどちらまで?』 「うん、さとがえりなんだ、そのへんまで、たのむよ」 運転手さんは、走り出しました タクシーの早いコト早いコト すぐに、お父さんお母さんのいる、ふるさと池に着きました 「おかねはないから、おかあさんにもらってくるね」 ゼニガメぼうやは、そう言うと、玄関の方へ歩いてゆきました だけど、あれれ 玄関の前には、張り紙 【今日は留守です まどろみ池のぼうやに会いに 行ってきます】 「わあ、おとうさんおかあさんがくるなら、ぼくはいえにいなくちゃ」 ゼニガメぼうやは、タクシーにもどって、運転手さんに言いました 「やっぱりね、さとがえりしなくてもよくなったから、 もといたまどろみいけまで、ぼくをつれてかえってよ あはは おかねはこれではらわなくてすんじゃうね」 運転手さんは、あはは、と笑って、ゼニガメぼうやをまどろみ池まで 連れて帰ってあげました もうそこにはお父さんとお母さんが、こうらから首を長く伸ばして ゼニガメぼうやを待っていました ゼニガメぼうやは お父さんに、アカガメムシドリンクを お母さんに、池の底で拾った光る石を、渡すと たくさんのおやつを、お父さんとお母さんと運転手さんとで 食べながら 「今日はすごく、ゆういぎな一日だったなあ、むしゃむしゃしゃ…ゃ」 ゼニガメぼうやは、満足げな顔で、言いました |
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