森のほとりの、まどろみ池に、 ゼニガメぼうやは住んでいました 今日も、ゆっくり、お昼寝だ こうらに入ろうと、首を、にょにょりと、ひっこめた時でした 【ピチッ】 何かが、こうらにあたったようです 首をにゅききと伸ばして見ると… 「なんだこれ?」 それは、小さな黒い楕円形の粒でした 続けて… 【ピチチチチチチチチチチッ…】 次から次へと その黒い粒が、マシンガンのように まどろみ池のゼニガメぼうやのお家にむかって 降ってきます 「なんだなんだ、いったいこりゃ ほんっと、おっかないなあ もう、こうなったら、僕が、がつんと注意してやるぞ」 と、ゼニガメぼうやは にょりにょり、水面に顔を出しました すると、まどろみ池のほとりには 森のクマさん一家 スイカを割って、食べています そして、その種を ペペペペペペっ… まどろみ池にむかって、吐き出しています ぷんぷん そういうことだったのかあ その粒は、スイカの種だったのです ぷんぷん ゼニガメぼうやが のすのす クマさん一家に近づいて… 一喝しようとした、その3、4歩前でした 『やあ、こんにちは、ゼニガメぼうや』 ゼニガメぼうやに気がついて、切り出したのは クマの子の方でした 『おっ、いっしょに、スイカでもどうだい?』 と、クマのお父さんが、続きます ゼニガメぼうやは、ごっくんこ かんかん、真夏日和の今日は 冷えたスイカが、おいでおいで、しています 「ス、スイカですか… いいですな それじゃ、ま、おひとつ、いただきましょうかね」 ゼニガメぼうやはそう言って、ひとつどころか 3つ、4つも、スイカをたいらげると… ペペペペペペペっ… その種を クマさん一家と同じように まどろみ池にむかって、吐き出しました 「ぷはぁ…夏は、やっぱり、スイカにかぎりますなぁ いやぁ、ごちそうになりました…」 ゼニガメぼうやは クマさん一家にそう言うと ごちそうさまとありがとうを言って まどろみ池のお家に帰ってゆきました 「来年の夏は、たくさんの種から たくさんのスイカが、なるんだろうなあ じゃ、それは、全部、ぼくのスイカってことかぁ いやぁ、まいったなぁ…こりゃあ」 ゼニガメぼうやはうれしそうに、そう言うと 「あっ、お昼寝、お昼寝」 こうらに 顔としっぽをひっこめて すやすや 気持ち良さそうに、眠りについたのでした お昼の夢は、 カラフルなスイカの玉に囲まれて 跳ねまわってる ぴんぽんだまの夢でした |
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