森のほとりの、まどろみ池に、
ゼニガメぼうやは住んでいました

今日も、ゆっくり、お昼寝しよう
こうらに入ろうと、首を、にょにょりと、ひっこめた時でした

【ツポチャン】

池の水面と何かが、がっつんこする、おいしそうな音が聞こえました
めんどくさそうに、顔をつきだしたゼニガメぼうやは
ゴクリ…ノドの心拍数があがります

おいしそうなバームクーヘンが
まんまる、まきまき、バームクーヘンが
自分のトコロへやってくるではありませんか!

ゼニガメぼうやは、しゃきしゃきキンキラ眠気まなこで
バームクーヘンに忍び泳ぎ、までは良かったのですが…

はぐっ…

同時に、それをつかむ影ありの巻
バームクーヘンごしに、目があいました

さりげなくオシャレな背中、ホシガメぼうやの登場です

「これは、僕のだよ」
とゼニガメぼうや
『あはは、おもしろい事言うね、でもちがうよ、僕のだもん』
とホシガメぼうや

ひともんちゃくありそうな出会いです

「キミのっていう、証拠はあるの?」
『だって、僕の好物は、何をかくそう、このバームクーヘンなんだぜ』
「それをいうなら、僕の背中の模様だってバームクーヘンに似てるだろ」

お互い、一歩もゆずりません

『実は最近、ろくに食べていなくて、背中の星が光を失っているんだ…』
「僕なんて、最近、知り合いのカメがビニール食べて入院しているんだ…」

二人とも、バームクーヘンしか見えていないのです

『おばあちゃんの遺言なんだ』
「先生に聞いてみたらいいよ」

うーん…もう、何がなんだかわかりません

そこへ、ミドリガメくんが、とことこと、やってきました

そして
 あっ、それ、僕の落としたバームクーヘンだ
 ほら、そのパッケージのところに名前書いてるでしょ
 【ミドリガメのバームクーヘン】ってさ

そう言うと、バームクーヘンを持って、とことこと、行ってしまいました

あっけにとられた、二人

「ホントはキミにあげようと思ってたんだ、あのバームクーヘン」
『なんだあ、僕こそはじめからキミにあげるつもりだったのに残念だなあ』

「良く見ると、キミのこうら、カッコイイじゃない」
『あっ、キミもそう思う なんだあ、意外に話せるんだね』

「にひひ」
『ぷぷぷ』

そして、お互いのこうらを、ぽんぽんたたきながら…
ゼニガメぼうやとホシガメぼうやは、仲良く帰ってゆきました

次のバームクーヘンは、はんぶんこに、しようね

 戻る
Copyright(C) 2006 - 2008 naohide yoshikawa , All Rights Reserved