森のほとりの、まどろみ池に、 ゼニガメぼうやは住んでいました 今日も、ゆっくり、お昼寝しよう こうらに入ろうと、首を、にょにょりと、ひっこめた時でした 【かつん】 何かが、こうらにあたったようです 首をにゅききと伸ばして見ると… キラリ 緑色に光る、素敵な物が、落ちています 「わあ、エメラルドだあ」 ゼニガメぼうやは、びっくりぎょうてん さっそく、ミドリガメくんに、見せに行くことにしました 「ほら、みてよ、みて、これこれ、エ・メ・ラ・ル・ドーン! 僕がみつけたんだよう」 ミドリガメくんは、ほっほうと、うなづいて、すごいねえって言いました ゼニガメぼうやはうれしくなって、森の動物達にも、見せてあげようと まどろみ池から、顔を出しました すると、水辺に、空色のウサギさんが、しょわしょわ、こちらを見ています 「やあ、こんにちは、僕、ゼニガメぼうや いいもの、見たい?」 ゼニガメぼうやはさっそく、見つけたエメラルドをウサギの方に向けました 『ややっ、それは… それ、私が池に落しちゃった、あめ玉なの メロン味のあめ玉、さっきから探していたの ねえ、返してちょうだい』 空色のウサギさんは、ゼニガメぼうやに言いました 「ちがうよ、これは僕が見つけたエメラルドなんだよ だから、僕のなんだ」 『ちがうわ、それは、私のメロン味のあめ玉なの』 「んもぉ、ちがうったら、ちがうの エメラルドは永遠の輝き」 ゼニガメぼうやもゆずりません 何を言っているのかもわかりません 『…わかったわ、私も、もう子供じゃないから…じゃ、そのあめ玉 じゃなくて、エメラルド、キミにあげる 大切にしてよね』 空色のウサギは、大人らしく、言いました ゼニガメぼうやは、はじめから僕のエメラルドなんだから、って顔しながら もう眠たいから、森の動物達に見せに行くのはやめようと まどろみ池の中に入ってゆきました 寝る前に、エメラルドを口に入れました 「このエメラルドは、ほんの少しだけ甘いねえ」 ゼニガメぼうやの口の中で、エメラルドがちょっぴり、とけました |
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