「うわぁ、みんな、みてごらんよ、こすもすがさいたよぉ」

水面の窓をあけて、こすもすを見て、さわぎ出したのは
ゼニガメぼうやでした

森のほとりの、まどろみ池に、
ゼニガメぼうやは住んでいます

今日も、ゆっくり、お昼寝しよう
こうらに入ろうと、首を、にょにょりと、ひっこめた時でした

しらしらしらと、水面にピンク色の雲が揺れています

なんだろう?と
ゼニガメぼうやが
首をにゅきき、伸ばして見ると…

まどろみ池を取り囲むように、一面
こすもすの花が咲いています

「わあ… きれいだな… なんてきれいなんだろう…
 眠たい気持ちもぜんぶ、すっとんじゃうなあ
 
 で、でも、こすもすは
 どんぐりみたいに、食べられないのが
 つまらないなあ」

ゼニガメぼうやは、まどろみ池を見渡して
ごっくん…
何か、ひらめいたように言いました

「いや…ちょっと、まてよ…
 こすもすが食べられないって
 いったい誰が決めたんだ…

 …、こすもすは、食べれるよ、ねぇ

 うん、うん、食べ物だもんね
 こすもすは」

自問自答してから、岸にあがり
ゼニガメぼうやは、こすもすを一つ

むしゃむしゃ… むしゃ!?

ん?
ゼニガメぼうやの眉間に、しわが、よりより
よっています

「うーん、こすもすは、生より、てんぷらとかがいいかな
 あっ、森のみんなに、残しておかなくちゃいけない
 僕は、がまんして、こすもすは、森のみんなに
 食べてもらおう
 うん、それがいいね」

ゼニガメぼうやはまたまた、ヒトリで
自問自答

そして、大あくび

ふわぁあぁ

「そういえば、もう
 お昼寝時間がとっくに、すぎてる
 
 どうりで、眠たいわけですな」

ゼニガメぼうやは
そう言って

まどろみ池のベットに

のそのそ、帰ってゆきました

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