ぼくのすむ街の空が いっしゅんにして くらくなって
雨がふりはじめました
グレーの雲が 雨をつれて ぼくの街に やってきたのです
真っ暗くなった道を ぼくは 手探りで 歩きます
暗くてなにも 見えません

カサをもっていないバッタは おおいそがし
草の陰をさがして飛びはねます
雨も はねます
葉っぱに落ちて はねます
葉っぱは 光って
  その光が まぶしくて
ツグミが羽を ブルブルさせます
それが 背中にかかった ナナホシテントウが
ほかの 場所を ノソノソ さがしはじめます

でも 真っ暗で ぼくの周りで起こりうる
  そんな とても美しいコトに ぼくは 気付けずに いました

そのうち 雨がやみます
空は 明るく 光っています
空が 明るいのは でも
雨は はじめから ふっていなくて
ぼくだけが ただたんに
目をつむって 歩いていただけなんだというコトが
開いた瞳に ピョンと 飛び込んできた
乾いた草にはねる バッタでわかりました



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