思い返してみると あの頃、私はキズつきやすく どこか、たくましさに欠けていたのだと思います その日 いつものように、失敗ばかりの私は 学校では先生に叱られ、友達には馬鹿にされ 今回こそはと奮起した期末テストさえも がっかりするような手応えに終わり… 夕暮れ沈む学校帰り 町の見える丘の上に 何をするでもなく ぽつり 寝っ転がって、行き交う雲の旅人を ぽつり 眺めていました 遠くにはデパートのアドバルーンが ゆらゆら ゆら、めいています …私はどうしてこんなに、ダメなんだろう… 出来ない自分が、理由のわからない劣等感が しめつける胸をさらにせつなく苦しくさせて 無性に涙が溢れてきました 夕暮れに、オレンジ色のキラキラした モザイクがかかります と、どすぅーん!!! 豪快な炸裂音とともに、 ずんぐり、もっこりの ぺ、ぺんぎん!?が 突然、空から降ってきました 『おっかしいなあ、なんでかなあ』 あっけにとられている私の視線をよそに どこから見ても、不器用そうな、そのぺんぎんは 納得いかなそうに首をかしげて 言っています 『じゃ、もう一回だな』 ぺんぎんは、持っていた鳥の形した アドバルーンをふくらませて それにつかまり ぺんぺんと、空に向かって飛んでゆきました 『おいらだって、できるもん』 誰に対して言っているのか 全く意味不明の言葉をぶつぶつ つぶやきながら… 大空めがけて飛んでゆきます しかし、すぐに、強風にあおられて はたまた、ぺんぎんの重さに耐えかねて バルーンは浮力を失い… 次の瞬間、どすーんの音と共に ぺんぎんもろとも、墜落してしまうのです その度 ぺんぎんは不機嫌そうに おかしいなあとかぶつぶつ 言いながら… 再度、バルーンをふくらませ 同じこと繰り返すのです 私は、ただ、その様子を終始見守っていました そして、オレンジ色のモザイクも気がつくと消えて いつしか、私は、その懸命なぺんぎんに 心打たれていました 丘の上の大地から 力強く、何度も空めがけて飛び立つ その姿に感動し ぺんぎん肌が幾度もたち続け 止まりませんでした …私、まだ出来るよ どこからともなく 自然と勇気が湧いてきて 夕暮れの丘の上を 走って駆け下りました その後、何度、さがしても あのぺんぎんには会うことは もう、ありませんでしたが あの後、飛べたかどうか その結果よりも あの不細工で、ひたむきな姿が 私を変え 今でも、悩み事にぶつかる度 あのぺんぎんの空へ立ち向かう姿を思い出し まだ、出来るよって 私は 弱い自分に言い聞かせるのです |
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