− 時間って、すごいね − ゆめゆめゆめ怪獣のガブロフは、空気と同じように人間の目には見えない、 時間の中にひそんでる怪獣です 目に見えないから誰も、知らないけれど、 つらい想い、楽しかったコト、忘れられない悲しい気持ち… 時間の流れにそって、笑えるようになったり、 アルバムになったり、少しづつ和らいで、 くるくるくるのは… それは、時間怪獣ガブロフに、そんな心の表面にある、 いろんな “想い” が、がぶがぶ、食べられているから それは、もう1年ばかり前の、コトです ミーちゃんには、恋人がいました 『他に好きな人ができたんだ…ゴメンナ』 そう言うと、ある日突然、恋人はミーちゃんの前から、 ラムネのようにいなくなってしまいました 何日も何日も、悲しみのパレードの止まない、ミーちゃんの胸の中 さあ、そんな中、ミーちゃんのトコロへ、ガブロフがやってきました ゆめゆめゆめ、がぶがぶがぶ 悲しくて、悲しくて…もう、どうしようも泣き廻る、狂おしいミーちゃんの想い ミーちゃんの知らないトコロで、食べます、食べます がぶがぶがぶ 毎日、毎日、溢れ出て止まない、ミーちゃんの気持ち、 ガブロフは、気配なくしたたかに、食べてゆきます がぶがぶがぶ ゆめゆめゆめ がぶがぶ… しかし… ガブロフは、今回は今までと、少し違うなあと、思い始めていました 何日たっても… 食べても、食べても… ちっとも、彼女の悲しみは小さくならないのです おかしいなあ…、ガブロフはそう思いながらも、毎日、毎日、 毎日、毎日、毎日、ミーちゃんの悲しみを、食べ続けました そして、とうとう…、ある日、ガブロフは、病気になってしまいました 食べても食べても、なくならない、ミーちゃんのおわりのない悲しみだけを 何日も食べ続けたコトが病気の原因でした ガブロフのお腹は、ヒトツの悲しみだけでパンパンに膨れ上がっていました こんなコトは初めてで、ヒトによって、短かったり長かったりはするけれど、 食べていくうちに、ほんの少しづつでも、 心の表面に張り付く想いは、薄れてゆくはずでした そして、とうとう、ある日 パン! 乾いた音とともに、お腹が破けて、 ガブロフは動かなくなりました そんなコトは知るはずもないミーちゃんはその夜、どうしても眠れず、 ワケもなく涙がとまらないのでした 明日が来るのが怖くて、恋しくて その辺にある不安がとめどなく寄せ集められました しかし、次の日 『僕と一緒に、いよう』 突然でした 悲しい気持ち一色だった彼女の世界が、 一瞬、真っ白に、それから虹色に変わったのです それは、ガブロフが消えてから、本当にたった…1日あと、だったのです ミーちゃんの悲しい想いは、少しづつ、和らいで、 新しい想いのカーテンにゆっくり、くるまれてゆきます そして、ミーちゃんは、ガブロフのコトを知りません |
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