ある森に… ピアノの上手なミイコがおりました 
その森は、小さな森だったから、その森ではミイコのピアノが、一番上手でした

ある日、ミイコの元に、1台のかわいいピアノが贈られてきました
贈り主は…きたない字だったから、よくわかりませんでしたが、とにかくさっそく
ミイコは、そのピアノを弾いてみました

  ♪ ♪ ♪ ♪ ♪  なんて綺麗な音色なのでしょう!

こんな素敵なピアノがあったなんて、ピアノの上手なミイコもビックリです
今までなん台ものピアノをたたいてきたミイコでしたが、
こんなに自分に丁度よい音色を奏でるピアノははじめてでした
なんたって、ピアノを弾くミイコ自信もメロメロになっちゃうくらいでしたから

それからというもの、ミイコはそのピアノを体の一部のように、
肌身はなさず、持ち歩くようになりました
本当に不思議なピアノでした ミイコのどんな指の動きにでも、
素直に答えてくれる、そう、まるで、
ミイコの気持ちを、そのまま上手に受け止めてくれる、そんな、ピアノでした

小さな森のミイコの演奏は大評判 
自分の思い通りに音を奏でるピアノをいとおしいと思うミイコ
ミイコは、本当に自分の気持ちを、ピアノにぶつけました 
ピアノの気持ちなんか考えないで、
強く、ぶしつけに、鍵盤を、たたくことも、ありました

でも、いつも、ピアノはこわれないで、
ミイコの気持ちを、上手に、変わらないまま、受け止めるのでした
本当に不思議なピアノでした 
少しづつ、大きくなっていくのです ミイコの気持ちを、上手に、
変わらないままで、受け止める、
そして、美しい音色を奏でながら、ピアノは、大きくなって、いきます
大きくなるピアノに、ミイコは、
いや、大きくなる分、余計に、自分のコトばかり、ぶつけます

もちろん、それは、ミイコなりの、まっすぐな気持ちでした
そして、大きくなっていくピアノの綺麗な音色は、
変わらず、森のみんなをとりこにしていいました

ミイコは自分のどんな気持ちも、このピアノは受け止めてくれると、
鍵盤をたたく自分の指を眺めながら、
そう、思い込んでいました 
とっても大きくなったピアノをみて、どんなコトも、このピアノとなら・・・

さて、秋の夜、小さな森で、音楽コンクールが開催されます

いろんな動物たちが、いろんな楽器をもって、
ごじまんの演奏を、披露する、年に1度の、大一番
ミイコは、そのピアノをもって、
コンクールに参加しました 1等賞の自信はありました

ミイコの出番 演奏中、ミイコは、変わらず、
自分の気持ちを、ピアノにぶつけました
自分の気持ちだけ、ピアノの気持ちなんか考えはしませんでした

どんなに、自分勝手な気持ちも、ピアノは受け止めてくれていたので、
それが当たり前だと、とにかく、
1等賞をとるために、思いっきり、鍵盤をたたきました 
演奏も終盤にさしかかった頃・・・
ピアノは今までにないくらいの、一瞬の時の中で、大きくなり、
ミイコの最後の指が、鍵盤にふれたとたん

綺麗な音色とともに、小さな森、いっぱいに・・・おーきくなって
                どぱぁぁーーん!!!
金色の花びらになって、小さな森に降り注ぎましまた キンモクセイのような…

その年の音楽コンクール、ミイコは1等賞 
不思議なピアノはミイコの前にはもう、現れはしませんでした

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