初めての展示会の帰り道 何故か、妙になつかしくなって… おまけつきのお菓子を買いました ―みんなに小さな幸せを運んでくれるよ― そうかかれた説明書きの箱の中には 青い鳥のミニチュアがひとつ なんとも、こっけいな… ふくろう、のようなずんぐりした青い鳥が ぎゅうぎゅうづめで、箱の中に、閉じ込められていました 青い鳥ってふくろうだっけ… 私はその青い鳥が、でも、愛らしく また、妙に、それが、忘れかけていた大切な何かを、ぼんやり ぼんやり、思い出させてくれそうで しばらく、ぼんやり、していました なんだっけな… その夜… 私は、何か、先のとんがったモノで ほほをつつかれるような感触で 目をさましました うつぶせのまま、つつかれた方に 寝返りをうつと そこに、青い鳥が、たっていました 私が炭酸水のような目を、ぱちぱちさせていると 青い鳥が言いました 『見つけてくれて、ありがとね じゃ、思い出しに行こうか』 私は少しだけ、気のぬけたふうに 「あ、あの、おまけの、あの鳥さんだよね?」 青い鳥は、ゆらり、うなずいて 私を背中に、乗せました ―不思議な気持ち、忘れかけていた大切な何か― そんな 思いがけない旅のはじまりは 真夜中出発の夜間飛行で 空から見る世界は、ブルーベリーを半分にわったような 楕円形の、箱入りミニシアターで 新緑の夜をじゅうおうむじんに駆け上がってゆきます わあ… これが、私だけの貸切なんてもったいないな …あのヒトと、いっしょに… 1ばんにあのヒトの顔が私の頭の中のスクリーンに 映し出されました それを、青い鳥に言おうとすると、その前に 『どうぞ、どうぞ、どうせはじめから、そのつもりでしたから どうせ、ひとりじゃ、見つかりっこないモノなのですから』 青い鳥は、そう言うと、サーチライトの面玉を きゅる きゅる きゅる と3回まわし あのヒトのいる方へ、光の線をのばします 忘れかけていた大切なモノ 想い出す旅は、今、はじまったばかりなのでした |
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